2016年にニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が有給家族休暇法を制定し、2018年1月1日より同制度が施行されました。これにより、家計の心配をすることなく子どもとの絆を築いたり、重病を患っている家族の看病・介護をしたり、軍事サービスに召集されたときの残された家族のプレッシャーを緩和することができます。
有給休暇とは休暇中に部分的な給料を支給される制度のことです。
2018年1月1日より、民間企業で働くほとんどのニューヨーカーは有給家族休暇を取得することができます。公務員であれば、雇用主が有給家族休暇を付与するか決定します。
休暇中も医療保険を継続でき、休暇終了後も同等の職務内容が保証されます。もし保険料を支払っていれば、休暇中も支払い続けなければいけません。
有給家族休暇は今後4年間に段階を踏んでいきます。2018年は最大8週間取得することができ、平均週給の50%を受け取ることができます。(*ただし、ニューヨーク州平均週給賃金(New York State Average Weekly Wage: SAWW)の50%まで。ご自身の平均週給(Average Weekly Wage: AWW)は、有給休暇が始まる直前8週間の平均金額。SAWWは毎年アップデートされます。)
例えば、あなたが2018年に週$1,000稼ぐとすれば、週に$500($1,000の50%)もらえます。もし週に$2,000稼ぐとすれば、SAWW(現在$1,305.92)の50%である$652.96がもらえます。
有給休暇は取得初日より52週の間に一度にすべて、または一日単位で取ることができます。
2021年までのベネフィット段階 | ||
年度 | 最大有給休暇取得数 | 支給金額 |
2018年 | 8週間 | 従業員のAWW50%(*ただし最大SAWWの50%まで) |
2019年 | 10週間 | 従業員のAWW55%(*ただし最大SAWWの55%まで) |
2020年 | 10週間 | 従業員のAWW60%(*ただし最大SAWWの60%まで) |
2021年 | 12週間 | 従業員のAWW67%(*ただし最大SAWWの67%まで) |
[ 条件 ]
フルタイム従業員:週20時間以上働いていれば、26週間の継続勤務後に有給休暇を取得できます。
パートタイム従業員:週20時間未満働いていれば、175時間の勤務後に有給休暇を取得できます。(継続勤務の必要はありません)
*移民ステータスに関係なく取得できます。
[ 種類 ]
子どもとの絆を形成するための休暇(Bonding Leave)
赤ちゃんの出産を控えている方、養子をもらう方や里親になる方は、お子さんとの絆を形成するために最大8週間(2018年)の有給休暇を取得できます。有給休暇は出産後、または養子や里子を迎えてから最初の12ヶ月間に取得します。
重病を患う近親者の介護(Caring for a Close Relative with a Serious Health Condition)
「近親者」とは、配偶者、ドメスティック・パートナー、子ども、継子、親、継親、義理の親、祖父母、孫など。
「重病」とは、1) 病院、ホスピスやナーシングホームなどに入所している、または 2) 医療従事者による継続的な治療や管理が必要な病気、怪我、心身の障がい。
例えば、1) キーモ・セラピーを受ける母親、2) 療養後に手術を受ける父親、3) 休学してサイコセラピーを受けなければならない子どもの看病・介護をするときなどに有給休暇を取得できます。
*入院や合併症を引き起こさない限り、美容整形手術は有給休暇取得の正当な理由になりません。また、風邪、インフルエンザ、耳痛、腹痛、小さな潰瘍、偏頭痛以外の頭痛、虫歯や歯周病なども正当な理由になりません。
軍務召集(Military Active Duty Deployment)
配偶者、ドメスティック・パートナー、子どもや親が海外軍務に召集されたときに、有給休暇を取得することができます。ただし、軍事イベントには取得できません。
[ 申請方法 ]
雇用先の保険会社が有給家族休暇の通知を受けたあと手続きをしてベネフィットを支払います。もし雇用先が自社の保険を持っていれば、雇用主が手続きをしてベネフィットを支払います。
参考資料:https://www.ny.gov/programs/new-york-state-paid-family-leave
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